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3.保守的 の変更点

私たちは、自分の心をどうやってコントロールしているのだろうか?

私たちは生涯を通して自己をコントロールするやりかたを探している。
成功すれば褒め、祝福し、失敗したきは自分に腹を立て、自分を恥じたり叱ったり、ごまかしたりする。
だが待ってほしい。
自分が自分に腹を立てるなんて、どうやったらできるのだろう?
たとえば、次のような場合・・。
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> 私はある問題に集中しようとしたが、あきて眠くなった。
 そこで私は、ライバルである教授が、同じ問題をあわや解きかけていると思うことにした。
 そして、その教授の努力を水泡に帰してやろうというライバル意識で、私はまたしばらくの間、
 問題を解こうと努力した。
 ところが実際には、この問題にライバルの教授が興味をもったことなど、いまだかつてなかったのである。

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私たちが、自分に影響をあたえる為に、ときにこんなにまで回りくどい方法をつかうのはどうしてだろうか。
どうして私たちは、自分のしたい事を、素直に自分に告げることができないのか?

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何かの働きを理解するには、その目的が分からなくてはならない。
昔は心臓のことが分かる人などいなかった。
ところが心臓が血液を循環させるのだということが分かるとすぐに、他のことが意味をもってくる。
管とか弁とかに見えたものは、たしかに管と弁だった。
心臓は単純なポンプだったのだ。
こうなると新たな推測が生まれてくる。
つまり、このポンプは脳細胞に食事を与えるためのものなのか?
体全体を温めたり冷やしたりするためのものなのか?
あるいは、メッセージを色んな所へ運ぶためのものなのか?
実際のところ、こうした推測は全て当たっている。
そして、心臓と血液の機能に関してこのような仮説を積み重ねていき、血液が空気も運べるかとういう問題にたどり着くと、
それまで謎だったいろいろな部分がはっきりとした形をとりはじめる。

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つまり、わたしたちが自己と呼ぶものを理解するには、まずそれが何のためのものかを知る必要がある。
自己の一つの機能は、''私たちがあまりに速く変わりすぎるのを抑えること''にある。

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人はみな、目的をひとつだけもつことと、一度に何もかもやってしまおうとすることとのバランスをとるために、計画というものを立てる。
あまりにも速く心変わりすると、長期計画はなりたたず、次に何をしていいのかわからなくなる。
自己がある特殊な「自由」をもっているといるという作り話は、じつは口実にすぎない。
自己というのは、実用上、必要なものなのである。
自己の機能の一部は、
私たちの自己が持つ性質、つまり計画という計画を全部だめにしてしまわないようにするという性質を、
私たち自身から隠す働きをしているのだ。
なんて、しちめんどくさい機能だろうか。

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**コメント [#kef3e898]

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